そのときどきの小さな話題と関連サイト情報を、思いつくままに不定期に書き記しています。 --> 以前の記事
本当に久しぶり(2年ぶり)の更新になってしまいました。2005年の前半はドタバタして更新しないまま、忘れもしない2005/10/15にバスにはねられる、という大きな事故にあって、危うく死ぬところでした。
脳挫傷、左眼窩底骨折、急性くも膜下出血、頭蓋骨(左頬骨)陥没骨折、肋骨5本骨折、嗅覚脱失・・・・
こう書くと、信じられないほど恐ろしい症状ですが、奇跡的に助かって、今では匂いも片方の鼻は戻ったので、日常生活も支障ありません。右の鼻の嗅覚だけは、どうやら中枢神経がダメージを受けて損傷したらしく、正しい匂いを感じることはできないようです。でも、左の嗅覚は正常なのです。
とにかく、このような事故でも今こうして「元気」でいられることには、何か「大きな力」に感謝しないではいられません。生かされている、という言葉がふさわしいのだと思います。本当に、心の底から感謝の気持ちがこみ上げてきます。ありがとう―語源である「有難い」という言葉をかみしめてしまいます。
さて、昨年知り合いの紹介で、ひょんなことから市販本の原稿を書くことになりました。初心者用のパソコンの本です。それが、つい最近出版されて書店に並ぶことになりました。
「イチから教えて!パソコンおたすけBOOK」(日本実業出版社。2007/3/1初版)
もっとも、私が書いているのは、第2章の「ワード&エクセル」だけですが、それ以外にもインターネット〜デジカメまで、お役立ち情報が山盛りです。
パソコンの初心者の方は、よかったら、ぜひご購入ください。
それでは、また!
今年に入ってから、日本に住む外国籍・無国籍の人をめぐるニュースと話題が続けて3つほどありました。
そして、そのどれもが、「日本人」であることの意味を問いかける重いものでした。
1つは、横浜中華街生まれの陳天璽さんの本―「無国籍」。
在日の中華民国(台湾)籍の両親の間に生まれた彼女は、約30年もの間「無国籍」として生きてきました(今は日本国籍を取得しています)。
なぜ、無国籍かといえば、1972年の日中国交正常化に伴って日本が中華民国(台湾)と断交したためです。そのとき、在日の中華民国(台湾)籍の人には、3つの選択肢がありました。
彼女の両親は 中華民国(台湾)に愛着があったため、あえて「無国籍」を選んだのだそうです。
「国籍が何であれ、私は私だ」と、陳さんは語っていましたが、すごい言葉です。一方で「日本人」とか「XXX人」とか国籍が明確でも、自分が何者かわからない、ということも多いというのに。
しかし、ことは、そう単純ではありません。 日本に生まれ、日本で学び、日本語を話し、納税などの義務を負う。しかしそれでも「日本人」ではないという生き方。これがアメリカであれば、「アメリカで生まれればアメリカ人」というシンプルなルールなのですが、日本の閉鎖的な国籍の考え方に疑問を感じないではいられません。無国籍が、差別されたり不利益をこうむるのは明白です。
2つ目は、国連の難民指定を受けて日本に滞在していたクルド人の家族のこと。父親と長男は、国際社会からの非難を浴びるなか、強制送還されてしまいました。そのときの会見で泣き崩れて叫んでいた娘の言葉が忘れられません。しかも、流暢な日本語だったので、なおさらです。 --> 赤旗新聞 ―都の在日韓国人管理職受験拒否 最高裁「違憲」判決を破棄
--> exciteニュース ―国籍条項、26日大法廷判決=都管理職試験の受験拒否
--> 河北新報ニュース ―最高裁大法廷判決の要旨
--> クルド人難民二家族を支援する会
--> 河北新報ニュース― クルド人親子を強制送還 国連の難民認定者で初
--> Mainichi INTERACTIVE ―クルド人難民強制送還:妻子5人が仮放免
MY OH MY!
(ワーオ、なんということだ! ― 「MY OH MY!」は、マリナーズ専属名物アナウンサーの口癖。イチローもインタビューで真似をしたことがあります)。
イチローが、ついにやりました。その歴史的な瞬間をテレビで観戦していましたが、さすがに感涙ものでした。アメリカ人記者さえも涙ぐんでいたのですから、日本人が泣くのは当たり前ですね。

第1打席でシスラーの記録「257」に並んだイチローが、第2打席でもヒットを重ね、通算安打を「258」としてメジャー記録を84年ぶりに更新すると、球場中に鳴り響くイチローコールと鳴り止まないスタンディングオベーション。
試合中にもかかわらず、ダグアウトからチームメートが総出で飛び出してきてイチローの頭を叩きます。
相手チームも含めて、セーフコ・フィールド全体がイチローを祝福したのです。帽子を取ってファンに挨拶してから、シスラーの親族にも挨拶するイチロー。―本当に、いいものを見ました。結局、あと2試合を残して、この日は3本の安打を打ち、259本となりました。
年間最多安打だけではありません。この日は、4年通算安打でもメジャー記録を更新しました。また、この日の試合では100得点にも達するなど、まさにイチローデーです。驚いたのは、初回のイチローのヒットから7人が連続ヒットで出塁して、同じイニングの2打席目まで一気に回ったことです。マリナーズのチームがまるでイチローを祝福するように大爆発したのだから、地元のファンにはたまらなかったでしょう。おかげで、見ているこちらも目頭が熱くなりました。

ところで、シスラーとイチローには意外な共通点があるといいます。二人とも野球選手としては小柄で細身。ピッチャー出身で左打者。そして、守備も抜群で、クール(知的)で優雅な選手だという点も同じです。さらに、シスラーが亡くなった年に、イチローは生まれています。
これはもう運命的なものを感じないではいられません。そう言えば、シスラーとイチローという名前の響きも似ています。もしかして、シスラーが自分の記録を塗り替えるために、生まれ変わってきたのかも!

さて、イチローは、バットで数々の記録を塗り替えただけではなく、その守備や走塁もすばらしい。その守備に敬意を表して、彼の守備ゾーン(=ライト)は「エリア51」と呼ばれているほどです。こうしてみると、たしかに天才・野球の申し子ですが、人知れぬ努力は、それはすさまじいものだと思います。お酒は飲まず、小さい活字は目を悪くするから読まないとか。
努力を続ける能力を天才と呼ぶなら、自分は天才だ。そんなイチローの主張には、深いメッセージがあります。その努力と一途な姿勢があるからこそ、あれだけの結果と、祝福があるのだなーとしみじみ。
とにかく、おめでとう。
--> NIKKEI NET 米大リーグMLBスタジアム
--> イチローコーナー ―MLBスタジアム
--> MAJORJP ―イチロー プロフィール
--> MAJORJP
--> Mainichi INTERACTIVE ―イチロー
--> MY OH MY シアトル・マリナーズ応援サイト
さて、日本国内に目を向けると、相も変わらず平和そのものです。平和であることは、決して悪いことではありません。その平和に感謝しながら、日々を楽しみたいものです。
そんな日本の平和を象徴するかのような独自文化の1つといえば、温泉、銭湯、健康ランド―「風呂」ではないでしょうか。
地方では日本全国に数え切れないほどの温泉がありますが、東京では、江戸時代から「銭湯」文化が花開いていました。
今でも都内には多くの銭湯がありますが、しかし、その数も減少の一途だそうで残念なことです。その一方で、後楽園のスパ・ラクーア、豊島園の庭の湯など、大型の温泉設備が相次いで作られて、人気スポッとしてにぎわっています。
そんな中、東京都内に10年ぶりに銭湯が作られました。「神田アクアハウス江戸遊」という立派な名前から設備に期待が高まりますが、それもそのはず、千代田区が出資して専門業者に経営を委託することで、銭湯を超えた設備を実現しています。
サウナ、人口温泉、食事どころや座敷の休憩所など、スーパー銭湯に近い設備を備えながら、銭湯料金なのです。
JRの御茶ノ水から歩いて5分ほど、神田や秋葉原からも歩いていける場所です。ちょっとした温泉気分を味わいながら、ゆったりとくつろぎのひと時が楽しめます。家庭の風呂よりも、銭湯のほうが、アルファ波が多くなるという実験結果があるそうですが、それを実感できます。一度は足を運んでみることをお勧めします。
--> 秋葉原に最も近い銭湯 神田アクアハウス江戸遊のレポート
--> asahi.com: オフタイム 〜 都内で10年ぶりに新銭湯オープン 千代田・神田淡路町
--> A@REPORT 〜 神田アクアハウス江戸遊プレオープンレポート
--> NIKKEI NET: NET EYE 5 プロの視点 〜 銭湯復活の条件
--> 銭湯の歴史 〜 東京都公衆浴場組合オフィシャルサイト
--> 東京都公衆浴場組合 〜 オフィシャルサイト
「ラスト・サムライ」の渡辺謙と「たそがれ清兵衛」―惜しくも、アカデミー賞の受賞を逃しました。
それにしても、ハリウッドでは、昨年から今年にかけて日本が脚光を浴びているようです。アカデミー賞の「オリジナル脚本賞」を受賞した「ロスト・イン・トランスレーション」も、日本=東京を舞台にした映画です。日本での公開は、ゴールデンウィークの頃です。
タイトルは「翻訳で失われたもの」という意味ですが、この映画では、日本語については翻訳=字幕を使っていないといいます。翻訳をしないわけなので、翻訳で失われるものは、たしかにありません。日本語のわからない外国人にとっては、ちんぷんかんぷんな日本語の洪水の中で、コミュニケーションの不成立、異国での不安、エキゾチックな高揚感、不思議な浮遊感など、異邦人ならではの感覚が一層高まるに違いありません。「翻訳で失われてしまうもの」とは、この独特の感覚のことなのでしょうか? 外国人にとっては、主人公への感情移入が、よりスムーズになるでしょう。
一方、この映画に描かれる現代日本の風景と、「ラスト・サムライ」や「たそがれ清兵衛」に描かれた伝統的な精神世界とのギャップを、どのように捕らえればいいでしょうか。もしかしたら、日本人が失ってしまったかもしれない何か―「ロスト・イン・ジャパン」
が、この映画の中に見えるかもしれません。
「ロスト・イン・トランスレーション」―ここには、どのような日本が描かれているのか、今から楽しみです。
--> Lost in Translation 〜 オフィシャルサイト
--> eiga.com 〜 小西未来の FROM HOLLYWOOD CAFE
--> 「ロスト・イン・トランスレーション」作品紹介 〜 CINEMA TOPICS ONLINE
--> 第26回日本アカデミー賞 優秀作品賞「たそがれ清兵衛」 〜 公式サイト
--> ラストサムライ 〜 オフィシャルサイト
久しぶりの更新になってしまいました。
さて、「ラスト・サムライ」の渡辺謙が第76回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。
たしかに、それも当然のすさまじい存在感と演技力。観る者を釘付けにして、トム・クルーズよりも目だっていました。納得の選出と言えそうですね。(もっとも、トム・クルーズ主演映画としては、アメリカ本国での興業成績は今一つだとか・・・・)
一方、外国語映画賞には、「たそがれ清兵衛」がノミネートされています。「たそがれ清兵衛」は、もし受賞すれば日本アカデミー賞に続いてダブルの受賞になります。
こうして見ると、昨年の暮れの「座頭市」から「ラストサムライ」まで、日本伝統の時代劇が脚光を浴びる年明けとなっています。メジャーリーグのダブル松井の活躍が期待される中、ゲーム、アニメなどのポップカルチャーに加えて、伝統的な日本文化が世界の中でこのように認められることは、とても喜ばしいことです。
--> 第26回日本アカデミー賞 優秀作品賞「たそがれ清兵衛」 〜 公式サイト
--> 山田監督が会見「大きなサプライズ」 〜GOOニュース
--> 渡辺謙がアカデミー賞ノミネート 〜GOOニュース
--> アカデミー賞専門サイト OSCAR PLANET
--> ラストサムライ 〜 オフィシャルサイト
ところで、GNC (Gross National Cool)というのをご存知でしょうか? GNPは経済力の指標ですが、GNCは文化的な「カッコよさ」の指標です(「Cool」は、そう、「かっこいい」という意味です)。 GDPが、量的な尺度だとすれば、GNCは質的な尺度とも言えそうです。
GNCは、ほかの国の文化や生活スタイル、価値観などに与える影響力を表すもので、一種の「ソフトパワー」です。この視点からは、日本は、経済力(GDP)は落ち目ですが、GNCでは大国になりつつある、というのです。「失われた10年」と呼ばれる不況の始まりと重なるように、ちょうど10年ほど前から、この日本のGNCが伸び始めているといいます。
このことは、―ドイツでもアニメが人気だとの話を昨年のコラムに書きましたが、―アジアを中心にファッションやライフスタイルをリードするような影響力を持っていることを意味しているのです。東京発のさまざまな文化や流行が、ほかの国の文化や流行に影響を与えているのです。そして、世界を席巻しているハリウッドがビジネスとしても大きいように、ソフトパワーは、無視できないパワーだと言われています。現に、ハリウッド発の「マトリックス」は、日本のアニメが題材になっています。
日本文化が、その伝統的な面でも、ますます世界に認められる年となればすばらしいことです。
--> 日本のソフトパワー Gross National Cool
--> PPP - JAPA ポップカルチャー政策プロジェクト
前回まで、ユニバーサルプレイヤーに関連してDVDオーディオとSACD(スーパーオーディオCD)について書いてきました。
さて、肝心の音ですが、実際にSACDを何枚か聴いてみました(DVDオーディオについては再生環境がないため、まだ聴いたことはありません)。
今回は、その中でも特に音と演奏がすばらしかったマーラー「巨人」のSACDを紹介します。
マーラー 交響曲1番 巨人 (AVIE)SACDと言っても、「DSDレコーディング」「DSDミキシング」「DSDマスタリング」と、さまざまな種類があります。
今回のMICHAEL TILSON THOMAS指揮/サンフランシスコ交響楽団の「マーラー 交響曲1番 巨人」(AVIE)は、SACD本来のフォーマットであるDSDでレコーディングされています。つまり、録音時の情報が、ほぼそのまま、SACDに記録されていることになります。
このSACDはハイブリッド版ですので、通常のCDとしても再生することができます。また、ステレオ(2CH)再生のほかに、マルチチャンネルで聴くこともできます。
今回は、SACDのステレオ(2チャンネル)でのみ試聴しました。また、CD層との比較試聴はしていません。
さて、マーラーの音楽は、大編成のものが多く楽器の種類も豊富ですから、感動を味わうには、高いグレードの再生装置が要求されます。逆に言えば、ラジカセやミニコンなどの装置では、その音楽の本当の姿は理解できないと思います。
小さな音がなぜ小さいのか、大きな音がなぜ大きいのか、複雑な強弱や陰影が再現されないと、成立しない類の音楽だからです。
それだけに、SACDではどのように再現されるのか、とても興味深く聴きました。
感想を一言で言うと、大げさではなく、今までにCDでは聴いたことがない音です。とにかく自然で細やかで見通しがよいのです。強弱や陰影がきめ細かく再現され、しかも、驚くほどダイナミックです。
特に、第一楽章の聴こえるか聴こえないかの微小レベルの音が、ほんとうに微かに再現されるのですが、それがとても聴き取りやすいのです。トライアングルや弦を、ほんの微かに触わっているような音さえ、くっきりと聞こえます。さまざまな微かな音が、あちこちで重なったり交互に出たりして絡み合う様子が手に取るようにわかります。圧倒的な情報量です。
それだけにまた、しだいに盛り上がっていくところの緊張感がものすごく、トゥッティーでは、一気にエネルギーを開放する醍醐味がストレートに伝わります。小さな音と大きな音の差(ダイナミックレンジ)が圧倒的に大きいことがわかります。また、トゥッティーは、単にダイナミックなだけではありません。楽器のエネルギーが豊かに溶け合いながら、スパーンと爆発するように駆け抜けて、しかも細部まで晴れやかに見渡せます。
演奏のすばらしさが、十分すぎるほど伝わってきます。思わず、緊張して息を呑みながら聴き入ってしまいました。これまでオーディオ(CD)の演奏で、これほど第一楽章に緊張感を覚えたり感動したことはありません。
私が知っている従来のマーラーの録音で、これほどオーケストラのエネルギーを再現できたものはありません。
SACDのこの音の感じは、誰でもわかるほどだと思います。SACDを聴いたあとでは、CDが加工されてデフォルメされた音だったとわかるほどに、SACDは自然でクリアでダイナミックなのです。その結果、トゥッティーでは音の洪水に安心して浸ることができます。
わかりやすく言えば、CDではクライマックスで「うるさい」とか「つまってる」と感じていたのが、「すごい」と素直に感動することができます。
--> 「マーラー 交響曲1番 巨人」SACD (AVIE) 〜 アマゾン
--> スーパーオーディオCD 公式サイト
--> SACDソフト情報 〜 スーパーオーディオCD
--> SACDソフトカタログ 〜 Phile web(ファイル・ウェブ)―音元出版
--> SACDのディスク 〜 アマゾン
パイオニアから定価29800円のユニバーサル・プレーヤーが発売されたことを受けて、前回はDVDオーディオについて書きました。今回は、SACDについてです。
その前に、CDとPCM方式について、もう一度、前回のおさらいをしておきます。
CD (CD-DA) もDVD(ビデオ/オーディオ)も、PCM (Pulse Code Modulation) と呼ばれる方式で音楽信号を記録しています。これはサンプリング(標本化)で音楽の時間軸を分割して切り取り、量子化ビットで信号の大小を記録していくものです。
CDは、44.1kHz/16ビットと決まっています。このフォーマットでは、高域再生限界周波数は20,000Hz、ダイナミックレンジ(音の大小)は96dBになります。20,000Hz以上は聴こえないから関係ないという意見もあります。しかし、超高域をカットすることによる可聴帯域内での歪の発生や波形の乱れなどが指摘されています。また、オーケストラのダイナミックレンジは 110dBですから、そのままではCD(96dB)に記録することはできません。リミッターやコンプレッサーで音を圧縮したり制限をすることが必要になります。このように、CDには、さまざまな制約があるのです。そこで、このCDの制限を超えようとするPCMの記録方式が、DVDオーディオです。―と、ここまでが前回のコラムの内容でした。
ところで、CDは44.1kHz/16bitなのに、「96kHz/24bit」などを謳っているCDプレーヤーがあります。これは、どういうことでしょうか? 実は、最近のCDプレーヤーでは、読み取ったデジタルデータをアップサンプリングして補完してからアナログに変換するというケースが多くなっているのです。その目的は、CD化の際に失われたデータ(20,000Hz以上の高域やダイナミックレンジなど)を補完して、よりよい音でCDを再生するためです。しかし、ここで注意しなければいけないのは、元々ないデータを補うわけなので、それはあくまで推測に基づくもので、オリジナルに近似であるという保証はないということです。しかし、CDの音がよくなってきた、と言われる背景には、DAC(デジタル・アナログ・コンバータ)の進化と合わせて、このようなデジタルデータの加工・補完の技術が大きく影響しています。
このようにSACDでも、最高で100kHz以上の高域と120dB以上のダイナミックレンジにより、DVDオーディオと互角のスペックを誇ります。また、マルチチャンネルに対応している点も、DVDオーディオと同様です。
音質以外の点での違いとしては、SACDは、音声のみを扱うため映像系の機器は必要ありません。また、ハイブリッド・ディスク(CDプレーヤーでもCD層のCDデータを再生できる)により、CDとの互換性を確保しています。
一方、DVDオーディオは、メニューなどを操作するときに、テレビなどの画面にメニューを表示します。つまり、プレーヤーは、テレビなどの映像機器につなぐ必要があります。また、CDとの互換性はありません。
さて、どちらの規格が主流になるのでしょうか? これは、けっこう微妙です。
DVDやホームシアター機器の普及を考えると、マルチチャンネルで再生する層は、DVDオーディオを選びそうな気がします。一方、CDなどで音楽を楽しむ層は、ハイブリッド・ディスクなども含めてSACDに移行するようにも思います。
安いユニバーサル・プレーヤーの登場によって、環境は整いつつあります。あとは、ソフト次第ですね。現時点では、SACDがソフトの数で、ややリードしています。
--> ユニバーサル・プレーヤー(DV-S969AVi-N) 〜 パイオニア
--> スーパーオーディオCD (SONY)
--> SACDソフト情報 〜 スーパーオーディオCD
--> スーパーオーディオCDとは 〜 技術情報
--> SACDソフトカタログ 〜 Phile web(ファイル・ウェブ)―音元出版
--> CD/DVD-Audio/SACD比較表 〜 DVD Access
--> 「SACD」の検索結果 〜 アマゾン
--> SACDのディスク 〜 アマゾン
パイオニアから30,000円を切る価格―定価29800円のユニバーサル・プレーヤーが発売されました。
最近、各社からユニバーサル・プレーヤーの高級機、中級機が多数発売されています。高いものは100万以上、安いもので70,000円弱の値段だったのですが、ここにきて一気に30,000円以下まで落ちてしまったというのは驚きです。
さて、ユニバーサル・プレーヤーがどのような機械かご存知の方もいるでしょうが、聞いたことのない方が大多数でしょう。
ユニバーサル(=世界共通の、普遍的な)と言っても、世界中どこでも使えるわけではありません。現行のすべての12cmメディア(ディスク)を再生できるという意味で、ユニバーサル・プレーヤーと呼びます。以下の12cmメディアが再生できます。
これらすべてを再生できて、30,000円以下(実売だと25,000円以下)ということなので、ちょっとしたニュースです。
ところで、DVDオーディオとか、SACDって何でしょうか? これは、しばらく前まで、(現行CDに対して)「次世代オーディオ」と呼ばれていた2つの規格なのです。
今ではすっかり市民権を得ているDVDですが、一般にDVDと呼んでいるものは、正確には「DVDビデオ」のことです。これに対して、DVDの規格を使ってハイスペックな音声だけに特化したのが「DVDオーディオ」です(一部静止画やビデオを含むものもあります)。
一方、CDやDVDビデオ/オーディオとは異なる記録方式(DSD)で記録して再生しようというのがSACDです。
このようにDVDオーディオでは、サンプリング周波数と量子化ビット数をアップすることで、具体的には、高域をより伸ばすことができ(最高で96kHz)、音の大小(ダイナミックレンジ)も、より正確に表すことができます(最高で144dB)。これについては、一般に超高域の伸びばかりが話題となっていますが、むしろ、可聴帯域において、よりなめらかな、または複雑な波形を正確に再現できるだろう、ということがポイントだと思います。
DVDビデオの購入を考えている方は、この機会にユニバーサル・プレーヤーやDVDビデオ/オーディオ対応機種を考えてみてはどうでしょうか?
長くなりましたので、SACDについては次回!!
--> ユニバーサル・プレーヤー(DV-S969AVi-N) 〜 パイオニア
--> DVDオーディオプロモーション協議会
--> DVDオーディオソフトラインナップ 〜 DVDオーディオプロモーション協議会
--> DVD-Audioテクノロジー 〜 DVDオーディオプロモーション協議会
--> DVDオーディオソフト全紹介 〜 Phile web(ファイル・ウェブ)―音元出版
--> CD/DVD-Audio/SACD比較表 〜 DVD Access
--> 「DVD Audio」の検索結果 〜 アマゾン
--> クラシック音楽 ―DVD Audio 〜 アマゾン
2002年に公開されたジョディー・フォスター主演のサスペンス映画です。
実は、私はジョディー・フォスターのファンなのです。ところが、この映画のことは、すっかり忘れていたため、遅ればせながらの観賞となりました。
パニック・ルームというのは、緊急避難部屋のこと。
離婚したメグ(ジョディー・フォスター)と11歳の娘サラが、ニューヨークのマンハッタンの豪邸に引っ越してきた。以前は資産家の老人が住んでいたというその家には、強盗が来ても安全なパニック・ルームが用意されていたのだった。
無用の長物と思われたパニック・ルームだったが、引越しの当日、母娘は予期せぬ訪問者に見舞われてパニック・ルームに逃げ込むことになる。・・・・・・・・
―このように、とてもシンプルなストーリーの映画です。舞台は、母娘が引っ越して来た家。そして、登場人物も6人だけです。これといったひねりや意外な結末もありません。それだけに、不思議なリアリティーがあります。私は最後まで、画面に引き付けられてしまいました。全編ダークなトーンの映像ですが、巧みなカメラワークと、ジョディー・フォスターのアップの表情、そして登場人物の丁寧な描写が、この映画に命を吹き込んでいます。これだけのシンプルなストーリーでも飽きさせないのは、なかなかです。もっとも、私はジョディー・フォスターが好きなので、かなりひいき目に見ているかもしれません。それだけ、ジョディー・フォスターの魅力が出ている映画です。ちなみに、この映画の主役は、当初ニコール・キッドマンの予定でしたが、都合によってジョディー・フォスターに変わったのだそうです。・・・
ところで、ジョディー・フォスターといえば、「羊たちの沈黙」や「告発の行方」など、素晴らしい主演作があります。
もちろん、これらの映画も大好きですが、個人的に一番好きな映画は、実は「ハートに火をつけて」だったりします。
殺しの現場を目撃してしまったために、デニス・ホッパー演じる殺し屋に追われる美しく強い孤独な女性の役をジョディー・フォスターが演じています。人によっては、くだらない映画の部類に入りそうな映画です。しかし、これは、間違いなく彼女のために作られた映画ですね。音楽と映像も美しく、なんというか、哀愁さえ感じるほどの美しさです。そして、そんな彼女に惹かれていくデニス・ホッパーが、適役です!
ということで、いろいろと書きましたが、「パニック・ルーム」は、映画としてもすばらしいし、これもまた、結果的にはジョディー・フォスターのために作られた映画の1つだと思います。おすすめ。
そして、ジョディー・フォスターファンには、「ハートに火をつけて」も、おすすめします。(DVDが出ていないのが残念!)
--> パニック・ルーム(DVD) 〜 アマゾン
--> パニック・ルーム(DVD―SUPERBIT) 〜 アマゾン
--> パニック・ルーム ヴィレッジブックス(本) 〜 アマゾン
--> パニック・ルーム 作品紹介 〜 DVD映画ポータル
--> パニック・ルーム 〜 Cinema channel
--> ハートに火をつけて(VHSビデオ) 〜 アマゾン
今年の春、ほんの一部の映画館で公開されたオーストラリア映画です。―そのビデオとDVDが発売されました。
舞台は今から70年前、1930年代初頭のオーストラリアです。当時、アボリジニ(オーストラリアの先住民族)の隔離政策を取っていたオーストラリア政府は、アボリジニと白人の混血の子供を家族から引き離し、白人社会に適応させるために英語やキリスト教などの白人文化を押し付けて教育していたのです。
オーストラリアと言えば、1901年の連邦政府結成以来、70年に渡った「白豪主義」が有名です。1970年以降になって、異文化・異民族を尊重する「多文化主義」を標榜して移民政策へと転換していきますが、この映画の舞台となった1930年代は、白豪主義の真っ最中ということになります。
映画は、母親から引き離されて連れ去られた少女が、施設から逃げ出して1500マイルの道のりを戻るまでの過程を描きます。
1マイルは1.6キロなので、1500マイルは、何と2400キロです! この距離を90日間で歩いたということなので、一日あたりは約26キロになります。
気の遠くなるような距離ですが、驚いたことに、これは実話です。「母親のところに帰りたい」という強い気持ちが支えになったのでしょう。少女の強い想いと親子の絆が、観る者の心を捉えて放しません。
原作は、その少女の娘が書いた「rabbit-proof fence」です。rabbit-proof fence―つまり、ウサギよけのフェンスです。このフェンスが、彼女と母親を結びつける目印であり、母子の絆の象徴にもなっています。この辺の詳細は、実際に映画をご覧になってください。
映画の最後には、映画のモデルとなった2人の女性も登場して、事実の重みがひしひしと伝わってきます。その後も、何度か施設に送られたり大変な苦労をしてきたようです。
人種問題、マイノリティ、アイデンティティ、文化の価値、民族尊厳、母子の愛情と絆―そんな人類の永遠のテーマが描かれたすばらしい映画です。久々に、ちょっと泣ける映画です。
ちなみに、アボリジニは、色が黒いですが黒人種ではありません。人類のアフリカ単一起源説では説明できない独自の人種だとの意見もあるようです。
そんな、先住民族のアボリジニも、1962年には選挙権が与えられました。1970年代以降は、多文化主義の中、オーストラリアの国民として民族の誇りと尊厳を持ち続けています。
--> 裸足の1500マイル 〜 GAGA Communications
--> 裸足の1500マイル RABBIT-PROOF FENCE 〜 Cinema Flip!
--> 裸足の1500マイル RABBIT-PROOF FENCE 〜 -CINEMA TOPICS ONLINE @nifty
CINEMA
--> 裸足の1500マイル (DVD) 〜 アマゾン
--> 裸足の1500マイル リミテッド・エディション (限定生産2枚組 DVD) 〜 アマゾン
--> 裸足の1500マイル (和書:日本語訳) ドリス ピルキングトン (著) 〜 アマゾン
--> Rabbit-Proof Fence (英書:原作) Doris Pilkington (著) 〜 アマゾン
--> 「アボリジニの人々」 〜 jinken.net
--> アボリジニ 進化の鍵を握る人々 〜 New Carthago City
--> 多様なオーストラリア人 〜 Australia.com - 在日オーストラリア政府のウェブサイト -
第75回アカデミー賞の「オリジナル歌曲(主題歌)賞」 に、映画「8 Mile」からエミネムの「Lose Yourself」が選ばれました。
「8 Mile」主演のエミネムは、1999年にデビューした有名な白人のラッパー。この映画のストーリーは、彼の自伝的な内容となっています。
ラップのファンはもちろんですが、ラップに興味のない人でも十分に楽しめる中身の濃い映画となっています。ただし、アメリカの陰の部分―貧困、退廃、暴力、倦怠などなどがリアルに描かれているため、全編に流れるラップも含めて、好き嫌いが分かれそうです。
ちなみに、私は、このような退廃的なトーンの映画はけっこう好きです。
退廃的と言いましたが、その退廃的な環境から抜け出して8 Mileの先を目指すという主人公の情熱と目的が、青春映画らしい輝きとほろ苦さとともに描かれています。決して暗いだけの映画ではありません。
「8マイル(mile)」というタイトルは、ミシガン州のデトロイトに実在する通りの名前です。この8マイルロードは、デトロイトの境界線であると同時に、通りの北側に住む白人の中産階級と、南側のデトロイトの貧しい黒人社会とを分かつ象徴的な境界線にもなっています。
映画の舞台は、廃れたデトロイトの街にあるヒップホップ・クラブ。このクラブでは、毎週、ラップ・バトルが催されています。ラップ・バトルというのは、1対1でラップの腕(リズム、言葉、内容など)を競うもので、そこに集まるのは、黒人がほとんどです。その中にあって、ラップの才能を開花させられず、チャンスをつかもうともがいている主人公の白人ラビットことジミー(エミネム)が主人公です。
映画の冒頭、バトルに挑戦しながら声を出せずに打ちひしがれるラビットの姿。そのラビットの悲惨な家庭環境。黒人の仲間に友情を感じながら、自分の道を見つけられない焦燥。ともすれば、無意味になりそうな日々。無気力と裏腹の情熱。そのような閉塞感の中から爆発するラップのリズム。これらが、渦巻く閉塞感とともに描かれていきます。そして、クライマックスは、ここから抜け出したいという想いとともに、再びラップ・バトルへと向かうラビットの戦いです。

ラップ・バトルが示すように、この映画のテーマは、「バトル」だと思いました。
自分との戦い。環境との戦い。焦燥や怠惰や絶望との戦い。差別との戦い。理不尽・不条理との戦い。チャンスをつかむ戦い。
そして、何と言っても、ぼんやりとしていると無意味になってしまう人生に、「意味」を見つけるバトルです。ちょうど、ラップが、選んだ言葉を組み合わせて、リズムに意味を吹き込んでいく作業であるように。
最後に流れるテーマ曲が感動的です。
ところで、母親役のキム・ベイシンガーが、相変わらずの存在感で、なかなか素敵でした。
蛇足ですが、実際のエミネムの母親は、息子のエミネムを訴えたことがあります。映画よりも、すごい!
--> 8 Mile 〜 ユニバーサル映画公式サイト
--> 8 Mile 〜 goo映画
--> YAHOO! News - エミネム -
--> 8 Mile (DVD) 〜 アマゾン
--> 8 Mile オリジナル・サウンドトラック (CD) 〜 アマゾン
--> 8 Mile [LIMITED EDITION] (CD) 〜 アマゾン
--> ザ・エミネム・ショー (CD) 〜 アマゾン
--> スリム・シェイディ (CD) 〜 アマゾン
--> マーシャル・マザーズ (CD) 〜 アマゾン
--> www.eminem.com 〜 エミネム公式サイト
--> エミネム(Eminem) 〜 ユニバーサルミュージック
2月に公開されたばかりのユニバーサル映画「レッド・ドラゴン」のDVDが、早くも発売されました。
レッド・ドラゴンは、「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と並び、アメリカの作家トーマス・ハリスの傑作サイコ・サスペンス・シリーズ ― 「レクター3部作」の1つです。映画ではレクターシリーズの3作目となりましたが、小説では1作目、レクターが登場する最初の作品です。羊たちの沈黙以前の話です。
「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」が、女性捜査官のクラリスとレクターとの不思議な関係を軸に描いていたのに対して、レッド・ドラゴンは、レクターを逮捕することになったFBI捜査官のグレアム(グラハム)とレクターとの関係を、猟奇殺人を軸に描いています。いずれの作品も、主役はレクター(アンソニー・ホプキンス)です。(ちなみに、「羊たちの沈黙」でクラリスの上司だったクロフォードは、「レッド・ドラゴン」にも出ています。しかし、俳優のタイプも異なり、正反対とも言える描写になっていると思いました。こちらのクロフォードのほうが、人間的に見えます。)
さて、「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」は映画館で観たのですが、今回はDVDでの鑑賞です。
舞台は1980年。レクターがクラシックのコンサートを鑑賞しているシーンから始まります。舞台を見つめるレクターの目が怪しく光ります。思わず、ぞくっときます。コンサート後のパーティーで、レクターが皆に料理を振舞うシーンでは、料理の中身を想像して気分が悪くなります。
さて、パーティーが終わったレクターを、FBI捜査官のグレアムが訪ねてきます。レクターに犯罪心理学の視点から捜査の協力を依頼していたのです。そこでグレアムは、現在捜査中の事件について核心に迫る意見を口にします。しかも、その時点では、それが何を意味するかを知らないまま・・・・
「犯人は、被害者の肉を保存してはいない。食べてしまったのだ」
この瞬間、観ている私たちには、強烈な恐怖が迫ってきます。ハンニバル・カンニバル(人食いハンニバル)と呼ばれるレクターとグレアムとの対決の行方は?・・・・・。
それから、さらに数年後、FBIを引退していたグレアムを上司のクロフォードが訪ねてきます。新しい事件に、彼の想像力が必要だというのです。しかたなく依頼を引き受けて、「噛み付き魔」と呼ばれる異常な殺人犯の行方を追うグレアムでしたが、いつしか事件の中心へと引き込まれて行きます。
しかも、ついに、ボルティモア州立病院にいるレクターを訪ねることになったのでした。
グレアムに「協力する代償は何か」と問うレクター。
グレアムは答えます。
「犯人より頭がいいこことを証明する喜びが得られる」一瞬、凍りつくような空気が流れるシーンです。
「・・・私を逮捕した君が私より頭がいいと?」
「とんでもない。ただ、あなたには不利な点が・・・」
「それは何だね?」
「あなたは狂人だ」
「私を捕まえられたのは、君と私が似通ってるからだ。」
ぎょっとするグレアムに、レクターは続けます。
「想像力がなければ、君も私も、世の中のマヌケどもと同じ。だが、想像力の代償が恐怖なのだ」
想像力の代償が恐怖―このセリフが、レクター3部作を読んだり観たりするときの恐怖の本質を言い表していると思います。派手な仕掛けや、どぎついスプラッタシーンはありませんが、それだけに、観る(読む)者の想像力が豊かであればあるほど、じわじわと重苦しい恐怖感が増すのです。ところで、このDVDの映像と音は、なかなかです。ダークで陰湿なトーンの映像ですが、細部まできっちりと再現できるのはDVDならではです。また、じわじわと恐怖を演出する音のさりげないクオリティも、DVDならではのクリアさです。AVアンプで5.1chのサラウンド再生をしてあげれば、さらに楽しめます。低音が効果的に使われていますので、低域の再生能力のあるスピーカーを使うか、サブウーハーを使って視聴したいところです。ちなみに、私は、PMCというメーカーの小型スピーカー(TB1SM)で、サブウーハーは使っていませんが、それでも、かなりの低音でした。皆さんも、秋の夜にホームシアターで楽しんでみては?!
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